お能はどうやって観ればいいの?

もし母が、お能にまったく関心がなければ、正直言って、私は

お能の「の」の字も知らなかった

と思います。

そしてその母も、私の六歳の時に亡くなった父が、お能を母に薦めなければ、お能を習おうとは思わなかったでしょう。

現に、小学校の頃。
同級生で、奈良にある老舗旅館のお嬢さん(後の女将)が、「仕舞」を習っていると聞いて。
「何、それ?」
日本舞踊みたいなもの?古い家に生まれたら大変だなぁ…程度の認識しかありませんでした。

私自身も周りも、ピアノを習っている子供は多かったので、伝統芸能を習うというのは、大変珍しくもありました。

ちなみに奈良県はピアノの保有率が全国ナンバーワンです。

閑話休題。

初めて能を観たのは20代後半でした。

「遊行柳(ゆぎょうやなぎ)」

以前にも書きましたが、仕事で疲れて睡眠不足の状態で、「無謀」以外の何ものでもない観能であり、演目です。

楽屋でお手伝いをしていた母が舞台袖から覗いていて、終演後、開口一番

よく寝てたね~」(笑)

次に観たのは「葵上(あおいのうえ」。

遊行柳よりは動きがあり、シテが六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の生霊(いきりょう)なので、装束その他少しは色がありますが。

やはり退屈でした

そこで、母が習った謡曲の本が家にありましたので、「謡本」を観ながら観劇することにしました。

謡本にはストーリーや観どころだけでなく、言葉の意味や背景となる事柄の説明。
面や装束、小物や作り物などの説明などが書いてあり、始まる前に読んでおくと、まったく知らないよりも、感情移入しやすくなります。

また何を言っているのかさっぱり判らないよりは、前もって意味を把握しておくと、所作の一つ一つと関連付けてイメージすることができます。

そうこうしているうちに、能が段々と面白くなってきました

画像


時には胸打たれて、涙するようにもなりました。
自分なりに、どの舞が美しい、どのお囃子が良かった…鑑賞眼と呼ぶにはおこがましい限りではありますが、まがりなりにもそのような観方ができるようになるのは、楽しいことでもありました。

その後は、多い年には毎月のように、流派を超え、県境も越えて、お能を観るようになりました。

ところがそのうちに、「舞台」を観るより客席で「謡本を読んでいるだけ」。

ちゃんと舞台を観ていない時があることに気づいたのです。

「みんなのページをめくる音が(舞台袖にいても)、聞こえる」と母。

本人たちは気付いてないのですが、一斉にページをめくれば、その音が耳障りなのも頷けます。

そんな中、金春欣三先生の「奈良能に親しむ会」は、お能を観る前に、お能の楽しみ方について、演目のみどころなど、話してくださり、たいへん好評でした。
昨年に終了してしまい、非常に残念です。

こうした試みは、あちらこちら、流派を問わず行われています。
演目だけでなく、「お能」って何だろう?というところから、能楽師の方や評論家・研究家の方からお話いただくと、たいへん深いところまで理解が及び、お能を堪能できるようになります。

演目は200曲を超える数がありますが、毎月1本見たとしても一年で12本、10年で120本、20年で240本…単純計算でそうなりますでしょうか。

しかし、滅多に演じられることのない演目もあれば、しょっちゅう演じられるものもあります。

かくいう私も、そうこうしているうちに20年が経ってしまい。

環境的に恵まれていたため、いい加減に観て来たように思います。
今から思えば、もっと知識を深め、一つ一つ丁寧に観ておくべきだった、もったいないことをしたなと感じています。

さて現在、小学校における音楽教育では、謡曲について教えているそうです。

謡曲とは何ぞや?教える側が観たことも聴いたこともない。
ということで、慌てて能楽教室の門を叩く先生も少なくないと聞きます。

おりしも、都立高校では、「日本人としてのアイデンティティを確立する」として、日本史の授業を必須科目にするそうです。

学校教育しかり、子供たちや一般の大人たちも、もっと伝統芸能を鑑賞し、楽しめるように何かできないものだろうか?

そういう思いもあって、平城遷都1300年祭参加の舞台「zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀 あをによし」を主催する特定非営利活動法人 Layer Boxでは、お能や日本文化だけでなく、広く伝統芸能や文化について知っていただく機会を作ってゆきたいと考えています。

現在、6月に予定しております。
どうぞお楽しみに。
(詳細は今しばらくお待ちくださいませ)

少しでも文化振興、文化交流のお役に立てますように。

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一歩進めて能鑑賞 演目別にみる能装束
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観世 喜正

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