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『巻絹(まきぎぬ)』 「千疋の巻絹を熊野三社に奉納せよ」 夢でお告げを受けた帝が、諸国から巻絹を集めるよう臣に命じました。 ところが都からの巻絹が届かない。 というのも、使者が臣を訪ねる前に、熊野の音無天神へ参詣したところ。あまりに見事な梅に、一首詠んで奉納していたからでした。 納期が遅れた使者は、縛られてしまいます。 そこに音無天神の霊が憑り移った巫女が現れ、事情を説明します。 証拠として手向けた上の句を男に詠ませ、下の句を自らが詠みます。 男は無事放免。 巫女は和歌の徳を讃え、祝詞をあげて神楽(かぐら)を舞い、神の物語などするうち、神が去ってしまい憑依(ひょうい)が解かれます。 -------------------- なんとも荒唐無稽なストーリーです。 納期に遅れた理由が、和歌を詠んで奉納したから? そこに突然、女が現れて事情を説明? 男が上の句、女が下の句、そんなのが証拠? 和歌を詠んでいたから…って、そんな理由で納得するわけ? で、神の憑り移った女が神楽を舞って神の物語? ありえなーい。 現代人には非常識な行動パターンに、科学では決して証明できない事象。 それがお能の根本です。 お能ではこの世とあの世は繋がっていて、主人公(シテ)は大概が 死者の霊であったり、神や精霊などこの世ではないもの です。 昔日の無念や想い、愛惜を語り、神の物語や謂れを語り、歌を詠み舞を舞うなどするうち、朝が来て消えてゆく。 ストーリーだけを追うと非現実的な筋立てなのですが、その物語から一体何が汲み取れるのだろうか。 人の世のはかなさか、それとも人の業か、あるいは神仏精霊の存在か? そのようなことにつらつら思いを巡らしながら能を観る。 不思議なことに、日常的な煩雑な憂いや忸怩たる想いが、少しだけ緩和されているのを感じます。 そんなこと、どーでもいーや、小さい小さい。 だからと言って、気が大きくなって、納期を守らないということのないように、気をつけてくださいね。 -------------------- 今日の「巻絹」は、毎年正月3日、朝7:00からNHKにて放映している「新春、能狂言」からです。 能「巻絹」(金剛流)金剛能楽堂(京都)にて シテ:金剛永謹 ツレ:宇竜成 ワキ:福王茂十郎 アイ:茂山千五郎【収録】 笛:杉市和 小鼓:曾和尚靖 大鼓:河村大 太鼓:前川光長 テレビでは右端に字幕が出てますし、読みにくい漢字にルビも振ってありますので、謡の内容が理解しやすいという利点があります。 またさまざまなアングルから能舞台を鑑賞することが可能です。 しかし時間の関係からか、シテが終わると、ぷつんと終わってしまいます。 舞台の方が圧倒的に臨場感がありますし、能楽堂での音の響きはテレビでは拾えません。 時空間の余韻は舞台ならではです。 ぜひ、足をお運びいただき、ご覧ください。 10月30日、奈良県文化会館国際ホールにて【zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀あをによし】では、金春流能「三輪」をやります。 能と昆曲の日中伝統芸能の競演、そして和太鼓コンサートとアート映像の共演、古きと新しきが融合した舞台です。 (今日から奈良です。今日だけお正月休みいただきました。) 【人気ブログランキング】 に参加しています。↓のバナーをクリックしてください。 1日1回、あなたのクリックが励みです!よろしくお願いします。====== からのお知らせ ===チケット予約受付中!(発売は2010年4月〜) ![]() ご協賛・ご寄付をお願いしております。ご連絡いただければ折り返し詳細をご説明させていただきます。 ![]() ============================================================ |
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